
「最近、笑えなくなった…」「職場に行くのが怖い…」
そんな心の変化を感じていませんか?
看護師という職業は、人の命と向き合う責任ある仕事です。やりがいがある反面、精神的にも身体的にもストレスが多く、うつ病を発症する看護師が少なくありません。

私も病院で働いていた頃は、看護師の方と話す機会も多かったのですが、「目の焦点があっていない」「表情が暗く返答がない」など、目に見てわかるうつ症状が出ている看護師も何人も見かけました。
自身がうつかもしれないと思われる方は、当記事を読んで自身の症状に該当するか確認してみてくださいね。
この記事では、
- 看護師がうつ病になりやすい理由
- うつのサイン・症状の見分け方
- 働きながらできる改善方法
- 転職や休職を視野に入れた対策
について、実例も交えて詳しく解説します。
看護師がうつ病になりやすい理由とは?
「うつ病」と聞くと、自分とは無縁だと思う方もいるかもしれません。しかし、看護師はうつ病リスクが高い職業のひとつです。理由はいくつかあります。
◆ 命と向き合うプレッシャー
患者さんの命を預かる責任感、急変時の対応、緊急時の判断ミスへの恐怖など、常に精神が張り詰めた状態になります。
◆ 人間関係のストレス
医師や先輩看護師、同僚、患者や家族など、多くの人と関わる中で、コミュニケーションによるストレスも発生します。特にパワハラ・いじめといった問題は深刻です。
◆ 不規則な勤務体制と過労
夜勤・早番・遅番などのシフト制は生活リズムを乱し、睡眠障害や疲労感を引き起こします。これが長く続くと、心のバランスも崩れやすくなります。
◆ 「頑張りすぎる」性格傾向
看護師には責任感が強く、人のために尽くすタイプの方が多いです。自分のことは後回しになり、心のSOSに気づくのが遅れてしまうこともあります。
うつ病の初期症状・サインを見逃さない


うつ病は、徐々に心を蝕む病気です。自覚しにくい分、気づいた時には重症化しているケースも少なくありません。以下のようなサインに心当たりがないか、確認してみましょう。
【身体的な症状】
- 慢性的な疲労感、倦怠感
- 不眠、または過眠
- 頭痛や肩こり、胃腸の不調
【心理的な症状】
- やる気が出ない、仕事に集中できない
- 今まで楽しかったことに興味を持てない
- 自分を責める・自己否定が強くなる
- 涙が止まらなくなる
【行動的な変化】
- 遅刻や欠勤が増える
- 人と会うのが億劫になる
- 業務中にぼーっとしてしまう
うつ病の初期症状まとめ
分類 | 具体例 |
---|---|
身体的症状 | 慢性的な疲労感 |
不眠・過眠 | |
心理的症状 | やる気が出ない |
興味を失う | |
自己否定が強くなる | |
行動的変化 | 遅刻・欠勤が増える |
人と会いたくなくなる |
看護師のうつやストレスなどの統計資料
■ 厚生労働省(MHLW)
▼ 看護職のメンタルヘルス関連資料
- 「看護職員の確保をめぐる現状と課題」などの資料に、離職理由や精神的健康に関する情報が含まれていることがあります。
- 一部の調査では「精神的ストレス」が離職理由の上位に含まれているケースもあります。
リンク先:看護師のメンタルヘルス調査、課題とその対策(厚生労働省)
■ 日本看護協会(Nurse.or.jp)
▼ 病院看護実態調査報告書(毎年発行)
- 「看護職員の離職理由」「勤務環境」「ストレスの実態」など、うつ病の背景に関わる情報が含まれています。
- 直接「うつ病」という病名での統計は少ないですが、ストレス関連指標から推測可能です。
リンク先:2023 年 病院看護実態調査 報告書
■ 日本医療労働組合連合会(医労連)
▼ 看護師の労働環境に関する調査
- 毎年実施されるアンケートにおいて、「精神的な疲弊」「うつ症状」「休職経験」に関するデータが含まれることがあります。
看護師ができるうつ病の改善方法【職場にいながらできること】


もし「うつ病かもしれない」と感じても、すぐに辞めるという選択ができないこともあります。そこで、働きながら心を守るための改善方法をいくつかご紹介します。
◆ 上司や信頼できる先輩に相談する
信頼できる人に話すだけでも、気持ちは軽くなります。「今少ししんどいんです」と伝えることで、業務量を調整してもらえることもあります。
◆ 職場内の相談窓口や産業医を活用する
大きな病院では、産業医やメンタルヘルス相談窓口がある場合があります。匿名でも利用できることが多いので、まずは一歩踏み出してみましょう。
◆ カウンセリングを受ける
外部のカウンセラーや心療内科に相談することで、客観的な視点からアドバイスがもらえます。病気と診断された場合は、適切な治療や休職の申請も可能です。
限界を感じたらどうする?休職・転職という選択肢



我慢を続けることが正解ではありません。限界だと感じたときは、勇気を持って環境を変えることも改善への近道です。
◆ 休職するという選択
「心療内科で診断書をもらえば、休職可能」な職場も多くあります。無理をし続けて倒れる前に、休むことも一つの手段です。
◆ 看護師転職で環境を変える
職場の人間関係や働き方が合っていない場合、転職によって一気に改善するケースも。
- 日勤のみのクリニック
- 精神科や療養病棟などのゆったりした職場
- 訪問看護や保健師などの別の働き方
転職サイトや看護師専門のアドバイザーに相談することで、自分に合った職場を見つけやすくなります。
回復に向けた生活習慣の整え方
うつ病の改善には、薬やカウンセリングだけでなく、生活習慣の見直しも大切です。
◆ 睡眠をしっかりとる
夜勤明けでも「寝不足だから仮眠だけ…」ではなく、まとまった睡眠を心がけましょう。昼間でも遮光カーテンや耳栓を使うなどして、眠れる環境を整えます。
◆ 食事を軽視しない
コンビニ食や菓子パンだけの生活では、栄養が偏ります。脳の働きをサポートするビタミン・ミネラル・タンパク質を意識的に摂ることが大切です。
◆ 軽い運動・ストレッチ
散歩やストレッチ、ヨガなどの軽い運動は、ストレスを発散しやすくし、心を落ち着ける効果があります。
うつ病から回復した看護師の体験談
実際にうつ病を経験し、回復した看護師の方の体験談を紹介します。
【体験談①】ICU勤務の30代女性看護師
「夜勤が続いて眠れなくなり、何もかも投げ出したくなった。上司に相談して産業医と面談し、3ヶ月休職。その間にカウンセリングを受け、少しずつ回復。今は日勤だけのクリニックで、笑顔で働けています。」
【体験談②】新人看護師の20代女性
「先輩に怒られるたびに涙が出て、仕事が怖くなった。心療内科で『軽いうつ』と診断され、休職。その後、病院の規模を小さくしたら、丁寧に指導してくれる環境で自信を持てるようになった。」
看護師の心の健康を守るためにできること


◆ 無理しない・我慢しない
「周りに迷惑をかけたくない」と思いすぎると、自分を追い込みます。自分を守れるのは自分だけです。
◆ 情報収集と相談
同じように悩んでいる人がいると知るだけで、心が軽くなることもあります。SNSや看護師向けの掲示板、カウンセラーへの相談も有効です。
◆ 転職や働き方の見直しも前向きに
「看護師はどこも大変だから仕方ない」と思わず、自分に合った働き方を探す姿勢も大切です。
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まとめ|一人で抱え込まず、必ず相談を
うつ病は、誰にでも起こり得る「心の病気」です。
特に看護師という職業は、責任感が強く、自分の心の限界に気づきにくい立場にあります。
- 「最近、笑えない…」
- 「眠れない日が続いている…」
- 「もう頑張れない…」
そんな風に感じたら、それは心が出しているSOSかもしれません。
まずは、話せる人に相談してみてください。
そして必要であれば、休む・環境を変える・専門家に頼るという選択肢を考えてください。
あなたの心と体が健康であることが、何よりも大切です。
無理せず、少しずつ、自分らしい働き方を取り戻していきましょう。


ふみ
元総合病院勤務:診療情報管理士として院内の電子カルテの管理や疾病分析に8年間携わった経験あり。外来や病棟の医師、看護師、コメディカルと連携を取り仕事をしていた。
今回、看護師のうつ病の初期症状やその改善方法について記事にしましたのでぜひご活用ください。