
ふみ
元総合病院勤務:診療情報管理士として院内の電子カルテの管理や疾病分析に8年間携わった経験あり。外来や病棟の医師、看護師、コメディカルと連携を取り仕事をしていた。
自身の転職時に勤務先の病院に退職届を提出した経験をもとに本記事を執筆しています。
1. はじめに

看護師として働いている方の中には、新しい環境でキャリアアップを目指したり、ライフスタイルの変化に伴い転職を考えている方も多いでしょう。しかし、退職を決意したとしても、正式な手続きを踏む必要があります。その第一歩として、「退職届」の提出が必要になります。
また私自身、病院を退職する際に、退職届を記載し上司に提出した経験がありますので、本記事では、初めて退職をする方にも分かりやすく、退職届の書き方や提出のタイミングについて詳しく解説します。
2. 退職届の基本的な書き方
2.1 退職届と退職願の違い
まず退職を申し出る際、「退職願」と「退職届」の2種類の書類があります。
- 退職願: 退職の意思を伝えるための書類であり、会社が受理しなければ撤回が可能。
- 退職届: 退職を最終決定したことを伝える書類で、一度提出すると基本的には撤回できない。
一般的には、まず口頭で上司に退職の意向を伝え、了承を得た後に「退職届」を提出します。
2.2 退職届の記載事項
退職届には以下の内容を記載します。
【記載例】
退職届
私こと、○○○○(氏名)は、一身上の都合により、
○○年○○月○○日をもちまして退職いたします。
ここに退職届を提出いたします。
○○年○○月○○日
○○○○(氏名)
○○病院(または○○クリニック)
院長 ○○○○ 殿
※勤務先によっては、退職理由が「一身上の都合」という理由での退職届を受け付けない病院もございます。
実際に私が以前勤めていた病院では、一身上の都合ではなく明確な理由を記載してくださいと、退職届の出し直しを上司より依頼されました。
2.3 記載時の注意点
- 誤字・脱字を避ける: 重要な書類なので、丁寧に書くこと。
- 修正液や修正テープは使用しない: 間違えた場合は新しい紙に書き直す。
- 敬語を正しく使う: 「退職させていただきます」よりも「退職いたします」のほうが適切。
2.4 使用するペン
- 黒のボールペンまたは万年筆を使用(消せるボールペンはNG)
- サインペンや鉛筆は不可
2.5 退職届に適した封筒と入手方法

退職届を入れる封筒は、白色の長形4号または長形3号の封筒を使用します。
※郵便番号欄の表記のない、真っ白な封筒が望ましいです。
【封筒の入手方法】
- 文房具店、100円ショップ、コンビニで購入可能
- 価格は100円〜300円程度
私は過去にTUTAYAで入手しました。
封筒の表には「退職届」、裏には自分の氏名を記載します。
3. 退職届の提出タイミング
3.1 法的なルール
退職する時には、職場内の対人トラブルが理由となることも多いので、一刻も早く退職したいと思われる方も多いかもしれませんが、退職には法的なルールもございますので、下記を参考に職場長(上司)へ退職の申し出を行うとよいでしょう。
民法では、退職の申し出をしてから2週間後には退職が可能とされています(民法627条)。
しかし、多くの病院・クリニックでは就業規則により1〜3ヶ月前に申告することが求められています。事前に職場の就業規則を確認しましょう。
職場的にも急に辞めるといった場合に、代わりとなるスタッフの確保や引き継ぎに時間を取りたいため、勤務先の病院からできるだけ円満に退職したい場合は、前もって職場長(上司)へ申し出しましょう。
3.2 最適な提出タイミング
- 常勤(正社員)の場合: 退職希望日の1〜3ヶ月前に上司へ伝える。
- パート・アルバイトの場合: 退職希望日の2週間前〜1ヶ月前に伝える。
特に病院は人手不足の影響で引き継ぎが必要な場合が多く、早めの申告が望ましいです。
3.3 退職を伝える手順
- 直属の上司(師長・主任)に口頭で相談
- 退職届を提出する前に、まずは上司へ退職の意思を伝える。
- 突然提出するとトラブルの元になるため、事前に話すことが重要。
- 話し合い後に正式な退職届を提出
- 了承を得た後、退職届を作成し提出する。
- 退職届は人事部または院長に提出する場合も
- 職場によっては、師長ではなく人事担当者や院長が受け取ることもあるので確認する。
4. 退職届を提出する際のマナー

4.1 服装と態度に注意
- 退職届を提出する際は、清潔感のある服装で臨む。
仕事をしている時にタイミングをみて、上司に退職を伝える際は勤務先の服装で構わないかと思います。
しかし、有給休暇をずっと使用していて、最後に病院に退職の挨拶に行く際は、一般的にはスーツやキレイめの服装で挨拶に行かれるとよいと思います。 - 感謝の気持ちを込めて丁寧に伝える。
4.2 退職理由は簡潔に
基本的には「一身上の都合により」とし、細かい理由は不要。ネガティブな理由(人間関係のトラブルなど)は避ける。
※先に述べた退職届の記載理由は、一身上の都合によりでは退職理由とみなしてくれない場合もございますが、
上司に伝える際は一身上の都合で構わないと思います。
【上司との関係性ができている場合】
退職届を出す前に時間を取ってもらい、退職理由についてしっかり相談されてもよいかと思います。
4.3 有給消化について確認
退職前に有給休暇を消化できるかを確認する。
- 有給が残っている場合: 退職前に取得できるよう上司と相談。
- 有給消化を拒否された場合: 法的には労働者の権利なので、相談窓口(労働基準監督署など)に相談する。
5. まとめ
以上、退職届の書き方と提出のタイミングを押さえることで、スムーズに退職手続きを進めることができます。
ポイントのおさらい
- 退職届は「一身上の都合により」と記載し、誤字に注意。
- 黒のボールペンで書き、白い封筒に入れる。
- 退職の申し出は1〜3ヶ月前が目安。
- 直属の上司にまず相談し、その後に退職届を提出。
- 有給消化の確認も忘れずに!
円満退職を目指し、新しいキャリアに向けて準備を進めましょう。